監査

金融商品取引法や会社法などの法律に基づき、
公認会計士による監査を受けることを義務付けられている
企業・団体等に対する監査を行います。
当事務所は、会社法監査、学校法人監査、公益法人監査、労働組合監査など
多種多様な法人形態に対応しております。
また監査義務が法定されていない企業等についても、
対外的に財務諸表等の適正性を担保するために行われる任意監査にも対応しております。

公認会計士監査業務の流れ
1監査計画の立案
監査先の管理レベル、内部統制の整備・運用状況、取引の内容などを分析して、リスクの高い箇所(間違いの可能性の高い箇所)を識別し、そこを重点的に監査する計画を立てます。こうした、リスク・アプローチと呼ばれる監査手法により、効率的・効果的な監査を実施することができます。
2監査手続の実施
立案した監査計画の結果に基づいて、具体的な監査手続を始めます。監査は通常数人のチームで行われます。「売上」や「仕入」などの勘定科目ごとに担当者が決められ、実査・立会・確認・勘定分析などの監査手続を効率的に行い、監査証拠を積み上げていきます。
3監査意見の形成
それぞれの担当者は、その勘定科目に誤りがないと確信できるところまで監査手続を実施し、その過程を監査調書にして、監査責任者に報告します。監査責任者は相互の関連性や整合性を見ながら、全体としての正しさを検討し、最終的に適正かどうかを検討して、監査チームとしての意見を形成します。
4審査
監査チームの結論を、その監査に携わっていない別の公認会計士が客観的な視点でチェックをします。審査担当者は、監査責任者から監査意見形成の過程の説明を受け、監査調書を査閲し、その判断が適切かどうかを客観的に判断します。
5監査報告書の提出
監査責任者が自筆のサインをして、監査報告書を監査先に提出します。監査先は財務諸表にこの監査報告書を付けて、自らが作成した財務書類に間違いがないことを証明します。

1会社法監査

①大会社
大会社とは、最終事業年度に係る貸借対照表(定時株主総会に報告された貸借対照表)において、資本金が5億円以上、または、負債の部の合計が200億円以上である株式会社をいいます(会社法第2条第6項)。大会社については、会計監査人による監査が義務付けられています(同第328条)。
3月期決算の会社を例にすると、2016年3月期末において大会社ではなかった会社が、2017年3月期末の貸借対照表において資本金5億円以上、または負債の部の合計が200億円以上となった場合、その貸借対照表が報告される2017年6月の定時株主総会で、2018年3月期より大会社となることが確定し、会計監査人選任が必要になります。この場合、2018年3月期から監査を受ける必要があります。
②監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社
監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人による監査が義務付けられています(同第327条第5項)。
③会計監査人任意設置会社
株式会社では、株主総会(同第296条第1項)と取締役(同第326条第1項)は必ず置かなければなりません。更に、定款に定めることにより、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができます(同第326条第2項)。
つまり、定款を変更することで、会計監査人を任意に設置でき、会計監査人監査を受けることができます。この場合、会計監査人監査は法定監査として義務付けられることになります。

2学校法人監査

国又は都道府県から、経常的経費について補助金の交付を受ける私立学校法人は、文部科学大臣の定める基準に従い、会計処理を行い、貸借対照表、収支計算書その他の財務計算に関する書類を作成しなければならないとされており(私学振興助成法第14条第1項)、また、公認会計士又は監査法人による会計監査が必要とされています(同第3項)。
これは、私立学校法人は、補助金によって運営される、公共性の高い法人であるため、財務状況について会計監査を義務付けているためです。
また、補助金の額が年間1000万円を下回る場合には、会計監査を受けないことが可能ですが(同第3項)、その場合、所轄庁の許可を受けなければならないので、留意が必要となります。

3労働組合監査

労働組合の経理状況を示す会計報告は、組合員によって委嘱された職業的に資格がある会計監査人による正確であることの証明書とともに、少なくとも毎年一回組合員に公表されることとされています(労働組合法第5条第2項第7号)。
労働組合が会計監査を受けなかった場合、労働組合法に規定する手続に参与する資格を有せず、且つ、労働組合法に規定する救済を与えられないものとされています(同第5条第1項)ので、組合員の権利を守るためにも、必ず会計監査を受ける必要があります。

4公益法人監査

一般社団法人及び一般財団法人のうち、貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上である法人は、会計監査人を置かなければならないものとされています(一般社団・財団法人法第62条、第171条)。
また、公益社団法人と公益財団法人は、一般法人以上に適正な運営や会計処理が求められるため、公益認定基準として、一定規模以上の公益法人に会計監査人を置くこととされています(公益社団・財団法人認定法第12条第5項、公益社団・財団法人認定法施行令第6条)。

  1. 正味財産増減計算書の収益の部に計上した額の合計額が1000億円以上
  2. 正味財産増減計算書の費用及び損失の部に計上した額の合計額が1000億円以上
  3. 貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が50億円以上

5社会福祉法人監査

社会福祉法人に対する会計監査が平成29年4月1日に開始する事業年度より開始されます。
特定社会福祉法人(その事業の規模が政令で定める基準を超える社会福祉法人)は、会計監査人を置かなければならないものとされています(社会福祉法37条)。

  1. 平成29年度、平成30年度は、収益30億円を超える法人又は負債60億円を超える法人
  2. 平成31年度、平成32年度は、収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人
  3. 平成33年度以降は、収益10億円を超える法人又は負債20億円を超える法人

と段階的に対象範囲が拡大されていきます。
ただし、段階施行の具体的な時期及び基準については、平成29年度以降の会計監査の実施状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討するものとされていますので、注意が必要です。

6医療法人監査

6医療法人監査医療法人に対する会計監査が平成29年4月2日に開始する事業年度より開始されます。
医療法人(その事業活動の規模その他の事情を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する者に限る。)は、厚生労働省令で定めるところにより、貸借対照表及び損益計算書を作成し、公認会計士又は監査法人の監査を受けなければならないものとされました(医療法第51条)。

  1. 負債50億円又は事業収益70億円の医療法人
  2. 負債20億円又は事業収益10億円の社会医療法人
  3. 社会医療法人債発行医療法人

7労働者派遣事業監査

7労働者派遣事業監査労働者派遣事業について、新規許可又は許可有効期間更新時において、直近の年度決算書で下記の許可要件を満たすことができない場合で、かつ、その後の中間又は月次決算書において許可要件を満たしたため事後申立てを行う場合には、公認会計士の監査証明が必要とされています。

  1. 基準資産要件
    基準資産額(資産の総額から負債の総額を控除した額)が「2000万円×事業所数」以上
  2. 負債比率要件
    基準資産額が負債の総額の7分の1以上
  3. 現金預金要件
    現金預金額が「1500万円×事業所数」以上

なお、許可更新時に限り、公認会計士の監査証明ではなく、合意された手続でも可とされています。この場合は、監査よりも簡易な手続を実施し、合意された手続実施結果報告書を発行いたします。

8任意監査

監査を受けることが法定されていない企業等に対する、任意監査にも対応しております。
任意監査を受ける場面には、

  1. 経営者が財務諸表の信頼性を対外的にアピールするために、自発的に監査を依頼する場合
  2. M&Aなどの際に、買手側が売手側に対して、財務諸表の適正性を評価するために監査を求める場合
  3. 金融機関等が、融資等の取引を行う際の条件として監査を義務付ける場合
  4. などが考えられます。
    なお、任意監査については、法定の義務が無いだけであり、公認会計士による財務諸表への保証水準は法定監査と同一となります。このため、通常実施するべき監査手続を全て実施した上で、監査報告書を発行することとなります。

9その他

会計顧問/監査役・監事等

任意監査を実施するほどの保証水準を必要とされない法人向けに、当事務所が継続的に会計処理等につき指導することで、対外的な信用力を一定程度付加することができ、経営状況の概括的な把握にもご利用いただけます。
また組織の機関設計上、必要とされる監査役や監事についても、当事務所は様々なフィールドで活躍し知見を有する公認会計士等を紹介することで、ガバナンスの確保や役員の社外性を求めるクライアントニーズの充足に努めております。

アドバイザリー業務
①財務コンサルティング
会社が成長していく過程で、「なりゆき経営」から「計画経営」への転換はかかせません。当事務所では、経営計画の策定や資金調達・資金繰りのための支援を行っております。あわせて定期的な業績検討会の開催を通じて、戦略的PDCAサイクルを回すためのお手伝いをします。
②企業価値評価
企業再編やM&A案件が多くなるにつれ、企業価値を評価する業務が必要となります。当事務所は、この分野で経験豊富な公認会計士・税理士がチームを組み、総合的かつ客観的に判断する体制を構築し、評価業務を行います。
③公益法人関連業務
公益法人は特殊な会計・税の処理が必要なため、相応の専門家の関与が必要となりますが、その数は絶対的に不足しております。当事務所は、西日本でも指折りの専門家を抱え、公益法人チームを立ち上げることで、クライアントのニーズに応じた緩急をつけたサービスの提供を目指します。
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④その他
上記以外にも、起業コンサルティングや医業に係る開業支援・会計指導、企業グループに対する連結会計・連結納税の導入支援、財務デューディリジェンス、事業再生・事業承継のサポート等、様々なサービス提供を行っております。