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教えて!相続先生『 駐車場は小規模宅地等の特例の対象ですか』

2024/02/08 [THU]
貸駐車場にはさまざまな形態があります。

小規模宅地等の特例のうち貸付事業用宅地等の評価減の規定は、駐車場についてどのような形態の場合にこの特例を適用できるのか整理してみました。
 
<形態別の検討>
 
⑴平面駐車場
①更地のまま ・・・適用不可
青空駐車場のうち、③砂利や④アスファルト敷設もないものは建物又は構築物の敷地の用に供されているとはいえず、小規模宅地等の特例は適用できません。
 
②区切りロープのみある ・・・適用不可
コストもかからず設置や撤去も容易であり、駐車場業もすぐにやめることもでき更地とほぼ大差がないと言えます。
このような設備は一般に構築物とはいえませんので、適用可能な宅地に該当しません。
 
③車止めのみある ・・・適用不可
これも②と理由は同じです。
 
③砂利がある ・・・適用可
砂利は構築物に該当するため小規模宅地等の特例が適用できることとなります。
なお、砂利については年数の経過とともに流出、埋没が起こり得るようです。
きちんと砂利を補充しないと砂利敷きでなくなってしまうこともあり管理を怠らないようにしましょう。
 
④アスファルト(コンクリート)を敷設している ・・・適用可
アスファルトも構築物です。
 
⑤コインパーキングの設備がある ・・・適用可
 
⑵立体駐車場
自走式、機械式いずれにしても適用可能です。
 
<前提>
上記の例示は下記の条件は満たした上での検討になります。
・貸付事業用宅地等を、相続または遺贈により取得した
・宅地等を引き継いだ人が貸付事業を引き継ぎ、かつ、相続税の申告期限までその事業を営み続けている
・申告期限までその宅地等を保有している
・相続開始前3年以内に新たに貸付事業を始めた宅地等でない
・相場相当の駐車場代は受取っており、管理、確定申告をしている
 
<条文>
租税特別措置法 第69条の4  
「…事業の…に供されていた宅地等…で財務省令で定める建物又は構築物の敷地の用に供されているもの…」
 
租税特別措置法施行令 第23の2
法第六十九条の四第一項に規定する財務省令で定める建物又は構築物は、次に掲げる建物又は構築物以外の建物又は構築物とする。
一 温室その他の建物で、その敷地が耕作(農地法第四十三条第一項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。次号において同じ。)の用に供されるもの
二 暗渠きよその他の構築物で、その敷地が耕作の用又は耕作若しくは養畜のための採草若しくは家畜の放牧の用に供されるもの
 
宅地建物取引業法
第二条 この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
一 宅地 建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。
 
<参考>
 
広島総合税理士法人