《自己株式の相対取引での時価と譲渡金額の差額は、法人株主のみなし配当なの? 株式譲渡損益なの? 経済的利益なのか?》
法人税法第24条(みなし配当の規定)の「金銭その他の資産の交付を受けた場合」とは、「時価」なのか?「金銭等のみ」なのか?
これを図解すると次の図で、塗りつぶし部分は何を構成するのかという疑問です。
(注)以下の見解は、個人的見解によるものであることを申し添えします。

☆自己株式の高額取引
【事例】自己株式を時価より高い対価の額で取得した場合
・自己株式の時価 10,000円
・取得(買取)金額 13,000円
・資本金等の額 5,000円
・売却法人の帳簿価額 6,000円
☆通常取引の場合
(自己株式取得法人の処理)
資本金等の額 5,000 / 現金 13,000
利益積立金 8,000 /
※みなし配当の源泉税は省略。仕訳は法人税の考え方でしています。
自己株式を取得した場合の取扱いは、税法検討編の(1)自己株式取得の検討、(3)みなし配当の検討のとおり、自己株式の取得に時価との差額という概念はなく、買取金額ベースで計算すると考えられます。
(売却法人株主の処理)
株式売却法人側としては、株式譲渡損益、みなし配当の処理について、税法検討編の税法検討編の(1)自己株式取得の検討、 (2)有価証券の譲渡損益の検討及び(3)みなし配当の検討を考え方で処理すると、次による処理になると考えられます。(自己株式取得法人のみなし配当金の計算は、買取金額により計算する。)
現金 13,000 / 有価証券 6,000
株式売却損 4,000 / 受取配当金 8,000
/ 受贈益 3,000
買取金額13,000円ですから、みなし配当8,000円(13,000-5,000)が計算されます。
売却法人の有価証券の譲渡価額は、時価ベースで計算しますから、みなし配当を控除した2,000円(10,000-8,000)となり、株式売却損は4,000円(2,000-6,000)となります。
自己株式の時価と買取金額との差額は、経済的利益を構成すると思われます。
★例外取引の場合
買取金額のうち時価を超える部分(3,000円)が、明確に贈与(意図的な利益供与)と認められる場合
(自己株式取得法人の処理)
資本金等の額 5,000 / 現金 13,000
利益積立金 5,000 /
寄附金 3,000 /
※みなし配当の源泉税は省略。仕訳は法人税の考え方でしています。
時価で自己株式の取得があったものとして、みなし配当(10,000-5,000)、資本金等の金額を計算することになります。
3,000円(13,000-10,000)部分は、売却株主法人への寄附金となります。
(売却法人株主の処理)
みなし配当を贈与部分を除いた、時価で計算する場合…
現金 13,000 / 有価証券 6,000
株式売却損 1,000 / 受取配当金 5,000
/ 受贈益 3,000
みなし配当は、贈与部分を除いた時価10,000円で計算し資本金等の5,000円を超える部分で5,000円(10,000-5,000)となります。
売却法人の有価証券の譲渡価額は、時価ベースで計算しますから、みなし配当を控除した5,000円(10,000-5,000)となり、株式売却損は1,000円(5,000-6,000)となります。
時価と買取金額との差額3,000円は、自己株式取得法人からの寄附金の受取となります。
教えて!法人先生『時価以外の譲渡での自己株式取引の処理~1.税法検討編~』
教えて!法人先生『時価以外の譲渡での自己株式取引の処理~2.低額取引編~』
広島総合税理士法人