「事業性融資の推進等に関する法律(以下、事業性融資推進法)」の施行により、日本の金融実務は大きな転換点を迎えていることを皆さんはご存じでしょうか?
日本の金融業界(特に中小企業金融)において「事業性評価」の考え方が発出されて約10年が経過し、この考え方が浸透している背景から、2024年に事業性融資推進法が成立し本年2026年5月に施行されます。「事業性評価」とは一言でいうと、金融機関から見て融資する企業が保有している不動産等に対して担保権等を設定して融資を行うという従来の方法ではなく、企業が営んでいる事業そのものを評価し、その評価額に対して融資を行うというものです。
この法律の誕生により、企業価値担保権の概念が大きくクローズアップされました。企業価値担保権は従来の不動産担保等の担保権を抜本的に変える担保です。これまでの担保概念は、債権回収・保全を前提とするものでしたが、企業価値担保権は融資先企業のフォローアップやモニタリングを前提とする機能があり、企業や事業を「生かす」担保権といえます。企業価値担保権は中小企業金融を改善する役割を担うことが期待されており、融資体制が大きく変わっていくことでしょう。
しかし、現状ではこうした変化が十分に認知されていません。融資業務を行う金融機関はその内容を必死で勉強して実務にどのように落とし込んでいるかを検討している真最中と聞いています。
私自身も昨年入門書を購入して読んでみて、来月はセミナーに参加して企業価値担保権の存在意義や役割、機能を正しく理解していくよう努力していこうと思っております。企業価値担保権設定に対しては、信託契約が導入されるなどいろいろな論点があり、その理解は大変だと思っていますが、じっくりと勉強していき、クライアントへアドバイスができるようなレベルにしていきたいと思っています。
コラムを読まれている皆様におかれましては、まずは「企業価値担保権」という言葉が金融実務においては今後のキーワードになっていくことを覚えていただければと思います。
広島総合税理士法人