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教えて!相続先生『相続税の節税策(最終回)』

2025/07/18 [FRI]

これまで4回にわたって相続税の節税策を説明してきましたが、今回はその他の節税策について説明します。

 

1 養子縁組

  養子縁組すると、養親と養子の関係は実の親子と同様な効果を生じることとなります。

  養親に相続が発生すると養子は実子とともに相続人になります。

  相続税の計算においては、実子の数に養子(1人。実子がいる場合は1人となります。)を加算した数が

  相続人となりますので、養子がいる場合には基礎控除額(3000万円+法定相続人の数×600万円)が

  600万円増えることとなり、その分相続税の節税に繋がります。

  その他、①相続人が増えることにより税率が緩和される、②生命保険金や死亡退職金を

  受領した場合の非課税限度額がそれぞれ500万円増えることとなりその分相続税の節税に

  繋がります。

  この場合、相続税法上認められる養子の数には制限があり、次のとおりとなります。

  相続人に実子がいる場合・・・・・1人

  相続人に実子がいない場合・・・・2人

 

  なお、前述のとおり、養子縁組すると養子は他の実子とともに相続人となり、

  養親の相続財産を取得する権利を有することとなりますので、

  相続税以外のことも考慮して養子縁組を検討する必要があると考えます。

 

2 生前贈与する場合の受贈者(財産をもらう人)

  前回生前贈与について説明しましたが、前回の受贈者は相続人を前提として説明しています。

  相続人へ生前贈与すると、贈与者(被相続人)が亡くなった場合、

  暦年課税の贈与、相続時精算課税の贈与のいずれであっても、贈与した金額の内、

  一定の金額を贈与者(被相続人)の相続財産へ加算して相続税を計算することとなっています。

  つまり、加算される金額については、結果的に生前贈与の効果が失われることとなります。

  このため、生前贈与の受贈者を子供の配偶者、孫などにしますと、

  これらの者は贈与者(被相続人)の相続人にはなりませんので、

  生前贈与財産を相続財産へ加算されることはありません。

 

  ※孫への相続時精算課税の贈与の場合は、

   孫はみなし相続人になり基礎控除110万除いて贈与財産が相続財産へ加算されますので、

   節税にならないこともあります。

 

  ただし、1の場合と同様に受贈者を誰にするかということは、

  相続税以外のことも関係してきますのでよく考えて受贈者を決定することをお勧めします。

 

教えて!相続先生『相続税の節税策(第1回)』

教えて!相続先生『相続税の節税策(第2回)』

教えて!相続先生『相続税の節税策(第3回)』

教えて!相続先生『相続税の節税策(第4回)』

 

 

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