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教えて!法人先生『ロータリーやライオンズはOKじゃろ!』

2019/04/13 [SAT]

豊臣秀吉が女性ばかりを集め、

大々的な花見を催したことで有名な京都の醍醐寺の満開の桜の下で、

先日私はひとりぼっちの花見をしてきました。

今では、謎の社交団体や同業者団体の人と思われる人たちが、

(ド・ド・ドォ)~ と押し寄せてきて、

大勢で花見を催すところに変わっていました。

さてその社交団体・同業者団体について、

有名なのがロータリークラブやライオンズクラブ等ですね。

それらの団体の入会金や通常会費について、

法人は交際費として取り扱っていますが、

個人は税務上の取扱い(経費性の考え方)が法人と異なっていますので注意が必要です。

1.法人と個人では取扱いが違う!!

上述のとおり、ロータリークラブやライオンズクラブは、社交団体として広く知られています。

いずれも個人事業主又は法人企業の経営者等を会員として構成され、

その活動目的は、会員相互の話合いによる社会連帯の高揚や社会奉仕等にありますが、

その入会金や会費等は、大半が会員の定期的に会合する際の食事代等に使われているのが実情です。このような実情からか法人と個人では取扱いが異なってきています。

≪個人事業〔所得税〕の取扱い≫

個人事業主のロータリークラブやライオンズクラブの入会金や会費は、

事業と直接関係し、事業遂行上必要であると認められないから、

事業上の必要経費に認めることはできないというのが、

国税当局の一貫した判断です。

というのは、

「会員として行う活動を社会通念に照らして客観的にみれば、

その活動はいずれも営利性、有償性を有しておらず、

自己の計算と危険において報酬を得ることを目的として継続して経済活動に該当するものではない。

必要経費に算入されるのは、それが事業活動と直接の関連を有し、

当該業務の遂行上必要なものに限られると解するのが相当であり、

家事費との識別が必要であり、

私的な活動に過ぎないから直接費用であると解することはできない。」

という判断をしているからです。

≪法人〔法人税〕の取扱い≫

入会金や会費を負担している法人からみた場合には、

ロータリークラブやライオンズクラブの会員には地域の企業家、実力者も多いことから、

その会合に参加する機会を通じて、

種々業界関係者等との懇親等を深めることに加入する目的があり、

入会金や会費等は、大半が会員の定期的に会合する際の食事代等に使われていることから、

下表のように取り扱っています。

 

2.何故、法人と個人で取扱いが違うのか?

法人には経費性を認めて、

個人には認めていないのか、という疑問が真っ先に浮かぶと思います。

ただ私的な消費生活を行う個人と、それを観念的にできない法人とでは、

支出に関する取扱いを異にすることは、

租税法における所得計算構造をみても当然に予定されているからです。

3.同業者団体等の会費の取扱いはどうなるのか?

同業者団体等がその構成員のために行う広報活動、調査研究、研修指導、福利厚生その他

同業団体としての通常の業務運営のために経常的に要する費用の分担額として

支出する会費(通常会費)は、原則損金です。

その他の会費は使途に応じて、次のようになります。

ロータリークラブやライオンズクラブの通常会費は交際費ですが、

同業者団体等の通常会費は交際費とならず会費(単純損金)となります。

この違いは、両者の団体の会費の使途目的の違いからきています。

題目の「ロータリーやライオンズはOKじゃろ!」のOKが何を指すのかは定かではないですが、

少なくとも税務上は皆さんが思われているよりも、用途等について多少厳密に解釈され、

それに沿った会計処理が求められています。

どのようなものであれ「OKじゃろ!」と言って、

バンバンお金を使っていると後で痛い目を見るのが税務ですから、

ご利用は計画的に!ということで。

(職業奉仕の思想はホントに素晴らしいと思います。個人的に)

広島総合税理士法人