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教えて!法人先生『従業員賞与が損金とならない場合がある! 経営に従事って何?』

2023/02/20 [MON]

法人税法上の役員には、法形式上は役員ではないが、

実質的に法人の経営に従事して、

その意思決定に大きな影響力を持つと認められる者が含まれます。

 

夫が社長で、妻が従業員の場合、

妻に他の従業員と同じように決算賞与を支払ったが、

妻が法人の経営に従事していて、

その意思決定に大きな影響力を持っていると「みなし役員」と認定され、

従業員賞与であっても損金算入が認められず、

法人税額計算の対象となります。 

 

1 みなし役員

  みなし役員になるかどうかの判定には、

  下記のフロー図から解るように「法人の経営に従事している」ことが

  絶対要件です。

 

※(注)

・50%超基準 ⇒ 所有割合が最も高い株主グループから 、

         順次順位を付し、上位3位以内の株主グループのうち、

         上位から所有割合がはじめて50%超となる株主グループに

         その者が属していること。

・10%超基準 ⇒ その者の属する株主グループの所有割合が

         10%を超えていること。

・5%超基準   ⇒ その者(配偶者及びこれらの者の所有割合が

         50%超である他の会社を含む。)の所有割合が

         5%を超えていること。

 

2 税務上の「経営に従事している」かどうかの判断

  税務上の明確な規定はなく、事実認定によることになりますが、

  法人の事業運営上の「重要事項の意思決定に参画している」か

  どうかで判断することになります。

 

  ちなみに、

 

  「経営」とは 

  ⇒ 事業目的を達成するために、

    継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、

    事業を管理・遂行すること。

 

  「経営に従事する」とは

  ⇒ 法人の主要な業務執行の意思決定に

    参画することをいう。

 

  とされています。

 

  株式会社でいえば、取締役の業務がそれにあたります。

 

 取締役の業務の具体例 

 ・重要な契約に関する決定

 ・資金調達や返済

 ・使用人の採用、退職の決定、人事・給与・賞与の決定

 ・販売計画(商品の種類、販売先、販売数量・価額等)の決定

 ・仕入・生産計画(仕入商品、仕入先、仕入数量・金額、

  製品の種類・数量等)の決定

 ・設備計画(店舗、工場、生産設備等)の決定

 

 経営に従事しているかどうかは、

 取締役と同様に法人の上記の業務に参画し、

 具体的な指示や決定をしているかどうかで決することになります。

 

ちなみに、社長より使用人の妻の給料が多い場合はどうなるか?ですが、

給与の多寡は重要な判断要素の一つですが、

役員より給与が高額であることだけをもって、

経営に従事しているとの判断はありません

(もっとも、このような場合は、社長の妻が実質の意思決定権を持っていると思われて、

妻の言動(役員とみなすことができるような「具体的な」指示等を伴っているか)は

入念に調査されることが想定されます?)。

 

広島総合税理士法人