トピックス

教えて!法人先生『令和5年度税制改正大綱』

2023/01/11 [WED]

今回のコラムは、2022年12月16日に公表された『税制改正大綱』についてです。 

 

まず、税制改正大綱って何かというと・・・

 

各省庁からあがる税制改正の要望などを受け、

与党の税制調査会が中心となって翌年度以降の税制改正の方針をまとめたものです。

 

つまり、この時点では、まだ法律になったわけではないのですが、

高い確率で法律になるであろう税制改正の計画のことです。

 

なので、世の中の人が非常に注目しています。

 

132ページに及ぶため(原文を読みたい方はコチラ)、

今回はその中から、以下の3点をピックアップして説明したいと思います。

1.適格請求書保存方式(インボイス制度)に係る見直し

2.電子帳簿等保存制度の見直し

3.防衛力強化に係る財源確保のための税制措置

になります。

 

 

 

それではまず最初はコレ。

1.適格請求書保存方式(インボイス制度)に係る見直し

  2023年10月からインボイス制度が始まるため、インボイス制度関連の記述が多かったです。

  ※インボイス制度の詳しい説明については、過去のコラムに掲載しております。

 

  早速、結論から言ってしまうとインボイス関連の改正は事業者にとっては有利な改正でした。

  これは、免税事業者の方の税負担が急に増える事に対して、

  フリーランスの方から反発が上がっていたので、そこに配慮した制度が設けられるようです。

  (まだまだ混乱が続いているという印象があります。)

 

 (1)税額控除経過措置

  インボイス制度が始まると、

  今まで消費税を納める必要がなかった免税事業者は下記のようなことになります。

 

  選択肢A:免税事業者のまま

   ⇒ 予想される結果:売上の消費税について10%満額を請求することが難しくなる可能性がある。

  選択肢B:課税事業者になる

   ⇒ 予想される結果:消費税分を請求し、支払った経費にかかる消費税との差額を納める。

 

   要するにインボイス制度とは、免税事業者には不利な税制改正になるのですが、

   今回の税制改正大綱で少しだけ緩和(経過措置)されています。

 

   2023年10月1日~2026年9月30日の間、

   免税事業者の人がインボイス制度のために課税事業者になった場合は、

   納める消費税は売上にかかる税額の2割として良いというものです。

 

   例えば、売上高が税抜500万円のサービス業で経費が税抜100万円(みなし仕入率50%)

   ①本則課税(一般課税)の場合

    50万円-10万円=40万円

   ②簡易課税の場合

    50万円-(50万円×50%)=25万円

   ③経過(負担軽減)措置

    50万円×20%=10万円

 

   なので、経費のあまりかからない事業者は非常に有利となります。

 

 (2)事務負担軽減措置

   また、事務負担が軽減される措置については下記のとおりです。

 

   《1万円未満の仕入/経費に対する証憑不要》

   【要件】基準期間における課税売上高が1億円以下 または

       特定期間における課税売上高が5,000万円以下 である事業者

   【期間】令和5年10月1日から令和11年9月30日まで

   【内容】領収書/請求書が不要で、

       帳簿記載のみで仕入税額控除が認められる。

 

   《1万円未満の売上戻しに、返還インボイス発行不要》

   【要件】全事業者

   【期間】期限なし

   【内容】振込手数料等の少額売上戻しに対して、

       返還インボイスの交付義務がなくなる。

 

2.電子帳簿等保存制度の見直し

  インボイス制度と同様に反対意見に押されて緩和する方向になりました。

 

  《電子帳簿保存法の要件簡素化》

  【内容】電子取引に対し、検索機能を撤廃する。

      ※検索機能:「取引年月日」「取引先」「金額」を、

       範囲・組み合わせ検索が出来る。

  【要件】①売上高5,000万円以下の事業者 ※1,000万円から範囲拡大

      ②出力書面の提示の求めに応じる対策を講じている事業者

 

  さらに、

  ①保存要件を満たすことができないことについて相当の理由があり、

  ②整理された状態で書類をダウンロード・書面提出できるのであれば、

  紙保存が実質的に容認され続けるとのことです。

 

  《スキャナ保存の保存要件撤廃》

  【内容】スキャナ保存(紙→電子化)して保存する際に、

      解像度、階調、大きさに関する保存要件を廃止する。

 

3.防衛力強化に係る財源確保のための税制措置

  ロシアのウクライナ侵攻によって世界的に国防強化の議論が高まり、

  日本でも岸田総理が防衛費増額のための増税方針を表明しました。

 

  この防衛費の財源として法人税・所得税・たばこ税が上がりますが、

  法人税については下記のとおりです。

 

  法人税額に対して4%から4.5%上乗せとなります。

 

  ただし、中小法人の場合は、法人税500万円を超えた部分のみ対象となるため、

  ざっくりいうと利益で2400万円以上残っている中小企業に対して

  課税されるということになります。

 

  措置の施行時期は、令和6年以降の適切な時期としているため、

  具体的な時期は決まっていません。

 

4.その他

  その他にも、

  ・NISA(小額投資非課税制度 次回以降にお話し予定)が今以上にお得になったり、

  ・生前贈与加算(おそらく相続先生でお話し予定)が7年になったりと、

  様々な記載がありましたが、

  今回は長くなるのでこのあたりで。

 

 

広島総合税理士法人