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教えて!相続先生『”代償分割”って何のこと』

2022/06/24 [FRI]

問) 遺産分けの方法として代償分割があると聞きましたが、

   どうような方法ですか。

   また、代償分割に当たり留意することなどありましたら教えください。

 

答)1 遺産取得の方法

    遺産取得の方法としては、次のようなものがあります。

   イ 現物分割

     相続人間で協議して、遺産そのもの(遺産の現物)を

     各相続人へ取得させる方法で一番よく採られている方法です。

   ロ 換価分割

     相続財産を売却して、その売却代金を

     各相続人間で協議して取得する方法です。

   ハ 代償分割

     遺産の分割に当たって共同相続人のうちの1人又は

     数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が、

     自己の財産(現金など)を他の共同相続人に対して交付するもので、

     現物分割が困難な場合に行われる方法です。

 

  2 代償分割が行われた場合の相続税の取り扱い

   イ 代償財産を交付した者 

     相続により取得した財産の価額から

     交付した代償財産の価額を控除した価額を

     相続税の課税財産価額とします。

   ロ 代償財産を取得した者

     取得した価額を相続税の課税財産価額とします。

 

  3 代償分割に当たり留意すること

    次のような場合は代償分割ではなく、

    贈与とされますので留意してください。

   イ 相続によって取得した財産価額を超える代償財産を交付する場合

     相続によって取得した財産価額を超える部分の価額は、

     贈与となり代償財産を取得した者に贈与税がかかります。     

    (例)被相続人甲の相続人がA、Bの2人の場合

       Aが相続によって取得した財産価額 3,000万円

       Bに代償財産5,000万円を交付

       相続によって取得した財産価額3,000万円を超える

       2,000万円に対してはBに贈与税が課税される。

 

   ロ 生命保険金を受領し、その一部を代償財産として交付する場合

     生命保険金は民法上の相続財産ではないので、

     生命保険金の一部を代償財産として

     交付することはできません。

    (例)被相続人甲の相続人がA、Bの2人の場合

       Aは生命保険金5,000万円を取得(他の相続財産は取得しない。)

       Bに代償財産として生命保険金のうち、2,000万円を交付

       Aは民法上の相続財産を取得していないので、

       交付した2,000万円は代償財産ではなく、

       贈与したものとされBに贈与税が課税される。

 

広島総合税理士法人