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広島税理士のひとりごと『労働委員会』

2022/06/10 [FRI]

この度、「労働行政功労」で、叙勲させていただきました。そこで、労働委員会についてお話したいと思います。

 

労働委員会は、労働組合法(労組法)第4章第19条以下により設置される行政委員会で、使用者を代表する者「使用者委員」、労働者を代表する者「労働者委員」及び公益を代表する者「公益委員」によって構成され、中央及び各都道府県に設置されます。私は、公認会計士として公益委員に選任され、従事いたしました。全国で、公認会計士協会が推薦主体となっているのは、広島以外ほとんどありません。

 

労働委員会の権限は、労組法第5条、第11条の労働組合の資格審査、労組法第27条の不当労働行の審査、労働関係調整法(労調法)第2章の斡旋、第3章の調停です。

基本的には、労組法に係る労使紛争の解決ですので、労働者個人の紛争には関与しない制度設計でした。

 

わが国では、平成元年(1989年)に日本労働組合総連合会(連合)が成立し、大手の組合では労使の事前協議で課題が解決され、労使紛争の発生が激減しました。

また、労働組合の組織率も20%を下回り、‘21年の推定組織率は、16.9%まで低下するに至って、労使紛争が激減しました。

更に、雇用関係が激変し、正規雇用から、非正規雇用(契約社員、派遣社員)に移行しました。

70%から30%に移行する中で、組織化がなされませんでした。このような条件下で、大都市圏では、非正規雇用者の労使紛争の解決手段として、合同労組に駆け込み加入することで、不当労働行為事件として取り扱うという事例が増加しました。

 

平成13年に「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が成立し、各県の労働委員会では、労組法第27条の不当労働行為の審査事件が無い県が多く、多くの県で労働委員会規則の改正により対応する県、広島同様に条例策定により対応する県など、労働委員会が個別労使紛争の斡旋を手掛けています。

 

その他、最近の外国人実習生等の紛争においては、労働相談を実施している合同労組に駆け込み加入し、不当労働行為の事件に移行する可能性を秘めた、労働紛争が増加しているようです。

 

広島総合税理士法人 河野 隆