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教えて!相続先生『頑張れば自分で相続申告できますか?』

2021/03/17 [WED]
以前にコラムで触れたように、近年は相続税の課税件数、
相続税がかかる割合がともに増えています。
 
☞ 2020/11/17 教えて!相続先生『相続税の対象になる人ってどのくらいいるの?』
 
いざ、相続税の申告が必要になったとして、
相続人が自分で相続税申告をすることができるのでしょうか。
 
私の立場上、「ご自身での相続税申告は難しいので、
専門家である税理士に任せることをお勧めします。」と言うべきでしょう。
 
税理士へ依頼するメリットを簡単に申し上げれば、
手間のかかる作業(資料収集、申告書作成など)から解放され、
かつ、専門家だから知る方策での税負担減少の可能性です。
 
ですが、本来、申告納税制度は納税者のためにあり、
納税者様が自分で申告するのか、税理士へ委任するのかは自由なのです。
 
税理士へ依頼すると、いくらか報酬を支払うこととなりますしね。
 
自分で申告をされたいのであれば、
まずは、相続税申告をする必要があるのかどうか確認してください。
 
~ 1.相続税申告をする必要がある場合 ~
 
・財産-負債>相続税の基礎控除額
・「相続税の配偶者控除」を適用する
・「小規模宅地等の特例」を適用する 
等々
 
上述の3つが、相続税申告をする必要性の代表例です。
基礎控除額は「3000万円+法定相続人×600万円」ですので、
大抵は分かり易いです。
 
通常はこれで申告義務有りとなるのですが、
細かく言えば、未成年者控除で税額が0になれば申告義務は無くなります。
 
あと2つの特例制度は、適用のために申告する必要がある減税措置です。
条件は色々あり複雑ですので、過去記事も参考にイメージを膨らませて下さい。
 
☞ 2018/08/17 教えて!相続先生『配偶者って相続税で得するの?』
☞ 2019/05/17 教えて!相続先生『小規模宅地特例/相続税のために住家を売るなんて嫌。』
 
 
上記参考に、相続税申告をする必要がある場合には、
下記5つに該当するのであれば、
自分で相続税の申告(申告書作成)をすることができるかもしれません。
 
~ 2.自分でできる可能性が高い場合 ~
 
・相続人が自分のみ
・相続財産に不動産、非上場株式が無い
・相続人が個人事業をしていない
・納税地の税務署へ相談し易い
・申告期限まで時間がある
 
筆者の印象として、相続税計算における「法定相続分課税方式」は、
一般的にほぼ認知されていません。
 
これ無しに税額計算は不可能なのですが、
相続人が自分のみでしたら、
「法定相続分課税方式」を知らなくても(相続分が1/1なので)
相続税計算を楽に進めることができます。
 
そして、複雑な財産評価の可能性のある不動産や非上場株式も無ければ、
納税地の税務署(被相続人の住所地の税務署)へ相談しつつ
相続税申告書を仕上げることもできるでしょう。
 
もちろん、相続税申告期限(相続開始から10ケ月)まで
時間的な余裕が必要です。
 
思うよりもあっという間に期限がやってきますよ。
 
なお、税務署から下のようなお尋ねが来ることがあります。
自力で埋められるのであれば、申告書作成に大いに役立つハズです。
「相続についてのお尋ね(相続税申告の簡易判定シート)」東京国税局
 
本記事を相続税申告対策の参考にしてもらえば幸いです。
 
 
広島総合税理士法人